含み益はすぐ利確、含み損は耐える──その先に待っているもの
トレードを始めたばかりの頃、「含み益はこまめに利確して、含み損は耐えてプラテン(損失がプラスに転じること)してから利確する」というやり方を一度は聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。一見すると、すべてのトレードをプラスで終わらせることができるように思えるこの方法。実際に試してみたことがある人もいるかもしれません。いや、、、、殆どの人が試していると思います。
僕もFXを始めたばかりの頃、この方法をもちろん実践していました。しかし結果はどうだったかというと──このやり方で僕は2回退場しましたw
この方法の一見良さそうなポイント
「含み益は早めに利確する」というのは、心理的には非常に気持ちが良いものです。小さな利益でも確定できれば、トレードに対する自信が湧きます。そして「含み損は耐えればいずれ戻るだろう」という考えは、ポジションを閉じる際のストレスを軽減します。この考え方にハマると、含み益の利確でプラスを積み上げながら、含み損はプラテンするまで耐えるという、「負けなし」のトレードができるような気がしてしまいます。
僕もこの方法にのめり込み、次のようなトレードを繰り返していました
- 含み益が出たらすぐに利確する。
- 含み損はプラテンするまでひたすら耐える。
- プラテンしたら、すぐに利確して「勝ったぜ!うぇ~い!勝てば官軍~!利確は正義~」と喜ぶ。
一見、合理的なように思えるこの方法ですが、実際には大きな問題を抱えています。含み損を耐え続けることのリスクを見逃しているのです。
含み損が積み重なるとどうなるか?
含み損を耐え続けるということは、次のリスクを伴います。
- 損失がコントロールできなくなる
相場が思惑と逆方向に動き続けると、耐え続けた含み損がいつしか許容範囲を超えます。そして最終的に、すべての資金を失う可能性があるのです。 - トレード全体のリスクリワード(損益比)が崩れる
含み益を早めに確定する一方で、含み損を耐え続けることで、トレード全体のリスクリワードが著しく悪化します。小さな利益を積み重ねても、たった一度の大きな損失ですべてが「コツコツドッカーン」と音を立てて吹き飛びます。 - 冷静な判断ができなくなる(重要)
含み損を抱え続けると、次第にメンタルが不安定になり、冷静な判断ができなくなります。無限ナンピンをしてしまったり、両建てサンドイッチをしてしまったり。「もっと耐えれば戻るはず」という希望的観測が増え、適切な損切りのタイミングを完全に逃してしまうのです。そして、祈祷師へ…
僕自身、この方法を続けた結果、資金を失いました。最終的には耐えきれないほどの含み損を抱え、強制ロスカットが発動。大量の資金を失ったときの喪失感、無気力状態、圧倒的後悔は、今でも忘れられません。
解決策:明確なルールを持つことの重要性
含み損を耐えることがトレードにおいて致命的なリスクを伴うことを知った今、僕は次のようなルールを徹底しています。
①損切りをルール化する
含み損が一定の範囲に達したら、必ず損切りをするルールを設けます。具体的には、損失許容額を「証拠金の2%」などと設定し、それを超えた時点で迷わずポジションを閉じるようにしています。こちらの記事も読んでみて下さい。
②損切りを逆指値で管理!計画的なトレードのすすめ
基本的に損切りは手動ではなく、逆指値注文を活用しています。利益目標と損失許容額を明確に設定し、逆指値注文で損切りラインを事前に指定します。これにより、感情に左右されず、計画的に損切りを実行することができます。
③ポジションサイズを管理する
資金に対して大きなポジションを持ちすぎないこと。これを取り入れるだけで含み損が発生しても精神的な負担を軽減できます。これにより、冷静な判断を維持しやすくなります。
「耐えるトレード」から「計画的なトレード」へ
含み益をすぐに利確し、含み損を耐え続けるトレードは、短期的には成功しているように見えるかもしれません。しかし、それを続ける限り、長期的な成功はほぼ不可能です。僕自身の経験からも、それが明らかです。
それでも信じられない人は、いつも退場や大損をしてる人をXで探してみて下さい。大体は、こういったトレードをしていますから!
まとめ:全トレードをプラスにする罠から抜け出そう
「含み益を早く利確し、含み損を耐えれば全トレードがプラスになる」──この甘い誘惑に乗ってしまうと、トレーダーとしての成長を大きく妨げます。僕自身、この方法で2度退場するという苦い経験をしました。
トレードは決して「負けないこと」ではなく、**「トータルで勝つこと」**が重要です。そのためには、含み益を引っ張り、含み損を早めに切るという基本に立ち返ることが大切です。この教訓を胸に、リスクを管理しながら安定したトレードを目指してください。